NUNOUS SUSTAINABILITY JOURNAL

リバーリトリート雅樂倶 様 × dot studio 様

本オウンドメディアでは、セイショク株式会社が開発した環境系新素材「NUNOUS🄬」をご採用いただいたクライアント企業様とデザイン設計企業のご担当者様それぞれに、現在取り組まれているSDGやサステナブルな事例のご紹介や、その背景にある未来への想いをインタビュー・掲載させていただき、現在NUNOUSの導入をご検討されている方々に向けて、持続可能なより良い社会にするための活動の参考にしていただけるよう発信して参ります。

今回の撮影に協力して下さったのは

場所:リバーリトリート雅樂倶
(公式WEBサイト https://www.garaku.co.jp/
住所:〒939-2224 富山県富山市春日56-2
電話番号:076-467-5550

今回お話を伺った方のご紹介

  • リバーリトリート雅樂倶(運営会社:株式会社アイザック 取締役)宮津 由衣さん

  • dot studio 一級建築士事務所 代表 沼 俊之さん
    2014年より北陸富山県を拠点に住空間、商業空間、オフィス、ホテル等、様々な用途の設計デザインを行う。
    2025年dot studio東京事務所を開設

リバーリトリート雅樂倶(㈱アイザック・オール)様の企業概要

(宮津さん)
運営会社である㈱アイザックは、富山市で産業廃棄物や食品廃棄物の収集や処理、それらの運搬・最終処分を行いながらリサイクルまで一貫した総合サービスを提供しています。
当社が運営するリバーリトリート雅樂倶(がらく)は2000年に神通峡(富山市)の畔に位置する、23の客室でお迎えする「スモールラグジュアリーホテル」としてオープンしました。

 

建築家・内藤廣氏の設計によるデザイン性に富んだ建築、空間や家具のデザインが部屋ごとに異なる23の客室、富山の旬の極上食材を味わえるレストラン、天然温泉の大浴場、充実したスパ施設などが特徴のリゾートホテルです。

館内はアーティストが実際に滞在しながら制作した鋳物や陶芸作品など、サイト・スペシフィックなアートが体感できる空間です。

 

 

『ミシュランガイド北陸2021』では、4パビリオン(赤)最上級の快適な旅館として掲載頂いております。

2023年に「サステナビリティ×ラグジュアリー」をテーマに、本館プレミアスイートの客室201号室(水紋)と、同じく202号室(環水)をグリーンリノベーションし、環境に配慮した客室へと一新いたしました。

 

 

 

dot studio一級建築士事務所様の企業概要

dotstudioは建築設計・デザインを軸に強固な点<dot>となることで、同じ思いを持ったクライアント様・デザイナー・作り手さんたちの点が集まれる場所になろうと思っています。強い思いを持ったチームを編成しプロジェクトに取り組んでいきます。規模・用途に関わらずクライアントとのコミュニケーションから始めます。

■会社名:合同会社 dot studio

■設立日:2019.08.01

■代表:沼 俊之

■所在地:〒939-8081 富山県富山市堀川小泉町1-4-12-2F

■email:dotstudio@dotstudio.co

■URL:https://www.dotstudio.co/

■Instagram:https://www.instagram.com/dot_studio/

■事業内容:建築、インテリア等の企画、設計及び監理、家具、マテリアルの企画及び制作

現在のリバーリトリート雅樂倶 様のSDGsやサステナブルなお取組みはいかがでしょうか?

(宮津さん)
ホテル・リバーリトリート雅樂倶では、日々の業務やお客様から出る廃棄物を数量化し、削減に役立てています。また、歯ブラシなどのアメニティはマイクロプラスチック削減のための酢酸セルロース製の歯ブラシを採用したり、スキンケア用品には、地元の豊富な水資源を使用した生分解性のオリジナルのオーガニックアメニティを採用するなど、水資源の循環を考慮し、個別包装を廃止、ゴミの削減にも取り組んでおります。
客室内はペットボトル飲料水を廃止し、ウォーターサーバーを設置することでプラスチック削減とゲストの使い心地を両立させています。

 

 

現在のdot studio一級建築士事務所様のSDGsやサステナブルなお取組みはいかがでしょうか?

(沼さん)
dot studioとしてはコミュニケーションを通してクライアント様が重要にしているポイントの中で資源循環や既存資源の再活用などには自然に反応しています。既存建物を活用したリノベーション、コンバージョン案件も増える中、そこにあるのに現代の使い方にあわず廃棄されるものにスポットを当て、今の使い方にあわせてデザインすることで再活用したり、資源循環を意識しています。

例えば建設に関わる多様な業種の方々の制作過程において、出てしまう廃材を活用したマテリアルを開発することも自然と取り組んでいる設計プロセスの1つです。

改装時のデザインコンセプトなど

(宮津さん)
まだ使用できるのに、細かなキズや汚れなどで使用できない倉庫に眠っていた家具に手を加え、再生するなど、既存の骨組みを使用することで、できるだけ廃棄物を出さないグリーンリノベーションにこだわりました。

(沼さん)
「サステナブル×ラグジュアリー」をコンセプトに、土地に根差したアップサイクル素材、環境配慮型の新素材などを取り入れ、多様な視点でサステナビリティと出会える空間を目指しました。

プロデューサーの家’sの伊藤昌徳氏と共にアイザック様の産業廃棄物の処理現場や最終処分場などを見学させていただくことからスタートしたプロジェクトでした。そこで大規模な処分場が数年で埋め建てられていく現場を宮津さんにご案内いただきお話をお聞きし、現実を目の当たりにした衝撃が忘れられません。

本計画では全てを壊しスケルトンから作り変えることはせず、201号室のアーチ天井や202号室の大型建具などの元々の設えの良い部分は積極的に活かしています。「残すこと」と「新しく作ること」のバランスをはかる過程は、解体範囲を設計することでもありました。

スクラップ&ビルドすることのない地球に優しい客室デザインを目指しています。サステナブルでありながら、ラグジュアリーであることの実現が命題でした。ラグジュアリー空間に対してもサステナブルを取り入れられることで、高級感を求める層にとっても新しいスタンダードとなり、サステナブルな社会の実現につながるきっかけとなることを願います。

 

NUNOUS®をなぜご採用いただけたのか?どこに魅力を感じられましたか?

(宮津さん)
廃棄布を再生した素材に見えないクオリティと、デザイン製の高さ、手触りなどです。

(沼さん)
「サステナブル×ラグジュアリー」というコンセプトにしっくりきました。弊社でも独自にサステナブル素材やアップサイクル手法について探ってきました。サステナブル素材でも説明がないと、そうではない製品との区別がつかなかったり、時にカジュアル向きになったり。ただし今回はコンセプトが「サステナブルでありながら、ラグジュアリーであること」が命題でした。NUNOUSのサンプルを見たときに、アップサイクルに見えない独特な質感と肌ざわり、主張しすぎない意匠性もあり惹かれました。

導入後のご感想は?

(宮津さん)
ホテルとしての取り組みを説明する事でお客様とのコミュニケーションにもなりますし、好感をもってお過ごしいただいている印象です。

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(沼さん)
201号室、202号室においては、様々なサステナブル素材を取り入れており、NUNOUSを家具や什器の仕上げ材として採用させていただきましたが、とても品がよく馴染んでいると感じています。和紙、陶片入りのテラゾータイル、再生ガラスのペンダントライトなど、それぞれが主張しすぎないバランスを保ち、同じ空間に品よく共存しています。

    

 

今後向かうべきSDGsやサステナブルの展望、力を入れていくお取組みについてはいかがですか?

(宮津さん)
弊ホテルのフレンチレストラン「Trésonnier(トレゾニエ)」では食材を自家栽培、近隣の農家で調達する事でフードマイルへの取り組みや、調理の過程で発生する食材の非可食部分をコンポストにして、肥料として活用。そこで育った新鮮な野菜を再びレストランでご提供するするなど独自の循環型の取り組みをしており、2021年ミシュラン・グリーンスターも獲得しております。
今後も引き続きこのような資源循環の取り組みと、日々出来ることを模索しながらより大きな環境への取り組みにつながるよう、努力したいと考えています。

 

(沼さん)
SDGs、サステナブルな視点は弊社で取り組むどのプロジェクトでも当然取り入れていくべき視点の1つとなってきているように感じています。
学校やオフィス空間、商業施設など用途に関わらずサステナブルや資源循環が求められていると肌で感じており、急速に社会に浸透していく今、サステナブル建材だからこその表情や意匠性があり、更にオリジナルのストーリーを付加できたりすると空間デザインに欠かせないものになっていくと思います。弊社でも更にこの視点を取り入れて行きたいと思います。

編集後記

「しないより、する方が気持ち良いから!」・・・純粋だけれども本質を突いたひとこと。

「㈱アイザックの宮津さんにとって、サステナブルとはどういうものですか?」という問いに対して、「この感覚って大事だよな」と、シャッターを切るのを止め、思わずメモした言葉です。堅苦しくない、とても自然体な答え。

普段から環境や周りの人に少しでも良い事を採り入れている人の考え方なのだと思いました。それと同時に、それまでリバーリトリート雅樂倶さんで目にしたモノ、お聞きしたコトに対して腑に落ちました。

 

取材中にお聞きしたお話で、ホテル内のフレンチ「Trésonnier トレゾニエ」さんに至っては、魚の骨など非可食部分を有機肥料に転換し、それを使用した畑から採れる新鮮で大きくて甘い野菜をお客様に召しあがっていただくそうです。

まさに自然環境に生きる生命循環の実践。しかも、その畑の土作りをシェフ自ら関わっているそうで、自然に対しても正面から向き合う取組みが根付いていることを知りとても温かい気持ちになりました。

㈱アイザックさまの主力事業が産業廃棄物処理を行っていることもあってか、モノや素材に対し最上のリスペクトを強く感じ、「これ以上利活用できない」ところまで資源に真摯に向き合い、一貫した企業姿勢に感銘を受けました。

「地元のもの、良いモノを最後まで使い切る」や、「何かに活用して最後まで使い切れないか?」など、誰もが1度は考えても、手間やコストの面で保留になったり中途半端になりがちですが、「リバーリトリート雅樂倶」では、無理なく実践。使用済みのモノの行く末にまで心遣いがされており、昨今の世の中の流れに合わせて企業としてSDGsやサステナブルの掛け声だけ、見える所だけを設えるのとは次元が全く違う空間を見ることができました。

しかも特筆すべきなのが、「サステナブルとラグジュアリーを同時に成立させるデザイン感度の高さ」。

開業当初は、家具をイタリアから厳選して取り揃えたとお話頂きましたが、現在は可能な限り地元富山のもの、あるいは日本のもので設えているとのこと。神通川の砂利を左官材に混ぜ込んで版築壁を設えたり、廃棄漁網が原料の絨毯を揃えたりと、dot studio代表の沼さんのデザインの力も大いに加わり、広い室内どこを見てもサステナブルなモノで囲まれているのに、統一感さえ感じる空間へと設計コンセプトが昇華されていました。

身も心も、そして舌も満たし世界各地から訪れる人々を魅了するリバーリトリート雅樂倶さんは、いつ来ても変わらない上質なおもてなしや自然環境に対する真摯な姿勢、訪れる度に違う充実したお食事、何より趣向の違うラグジュアリーでデザイン性が高い寛げる空間が魅力。知るほどに奥行きのある、大切な人と訪れたい方へお勧めのホテルでした。

 

 

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