NUNOUS SUSTAINABILITY JOURNAL

株式会社資生堂「BAUM」様 -2-

本オウンドメディアでは、セイショク株式会社が開発した環境系新素材「NUNOUS🄬」をご採用頂いたクライアント企業様とデザイン設計企業のご担当者様それぞれに、現在取り組まれているSDGやサステナブルな事例のご紹介や、その背景にある未来への想いをインタビュー・掲載させて頂き、現在NUNOUSの導入をご検討されている方々に向けて、持続可能なより良い社会にするための活動の参考にして頂けるよう発信して参ります。

今回の撮影に協力して下さったのは

株式会社 資生堂(2022年10月取材時従業員数35,300人)
東京都港区東新橋1丁目6−2

今回お話を伺った方のご紹介

  • 資生堂クリエイティブ㈱ 堀 景祐(ほりけいすけ)さん (一級建築士)

  • 資生堂㈱ BAUM グローバルブランドユニット マネージャー 桑原晋(くわばらすすむ)さん

  • 資生堂㈱ BAUM グローバルブランドユニット  林順子(はやしじゅんこ)さん

BAUM様ブランド概要

〈BAUMについて〉
「樹木との共生」をテーマに掲げる、スキン&マインドブランド「BAUM」(製造販売元:エトバス)は「樹木がくれる、美しい世界のはじまり」をメッセージに、樹木の恵みを余すところなく受けとり、感謝し、樹木資源を未来につないでいくブランドとして、2020年6月に誕生。全化粧品の90%以上を自然由来の素材から製造。商品パッケージ、店頭においてもサステナブルな循環を意識した選択をしている。
公式サイト: www.baumjapan.com
公式Instagram: https://www.instagram.com/baum_global/

現在のBAUM様のSDGsやサステナブルなお取組みはいかがでしょうか?

木製家具メーカーのカリモク家具株式会社とのコラボレーションにより、商品のパッケージには家具の製造工程で発生した小さい木材を再生利用(アップサイクル)して使用しています。
また、レフィル商品を積極的に配置。一部プラスチック容器には植物由来のバイオPET、ガラス容器にはリサイクルガラスを採用しているほか、2022年11月には、旧製品チューブと比較してプラスチック使用量を30%削減し、クラフト紙のナチュラルな質感を活かした新しいデザインのハンドクリームを発売するなど、今後も出来る限り環境負荷を軽減する努力を続けていきます。

NUNOUSをなぜご採用頂けたのか?どこに魅力を感じられましたか? 

資生堂クリエイティブ㈱堀さん

2022年4月に発売したオイルコントロールエマルジョンは「しっとりとさらりを同時にかなえる新感触」のが特徴の乳液です。この特徴的なテクスチャーと仕上がりの美しさを表現できるサステナブルな素材の検討を進めるプロセスの中で、NUNOUS(ニューノス)さんにご相談させて頂きました。

通常ディスプレイには硬い素材を使用することが多いのですが、まず、NUNOUSはサステナブル且つ、デザイン性の高い素材であり、BAUMの哲学と親和性が高い点、そしてNUNOUSを表面に使う事で、プロダクトの特徴的なテクスチャーイメージや、狙っていた「浮遊感」を表現することができるだろうと考え採用させていただきました。

Photo by katojunpei

導入後のご感想は? 

資生堂クリエイティブ㈱堀さん

BAUMの表現したいイメージをすり合わせ、オリジナル色の試作を幾度も行い、完成したNUNOUSを使用して、やわらかく流れるような表情のあるオイルコントロールエマルジョンのテクスチャーを美しく表現することができました。
NUNOUS SKINは厚み0.6mmのシート状で平面の素材ですが、生地を重ねて作られていることもあり、微妙に浮かぶ凹凸が、どこか自然な奥行きを感じました。

建築・設計・インテリアデザインに携わる者は、平面である素材を使用しながらも、常に「空間に奥行きを持たせたい」と考えながらデザインするのですが、ここまで奥行が出る素材は希少です。使い方によって、インテリアではより立体的な使い方もできそうだと感じました。
初めて見た時には木の年輪のような印象を持ちましたし、見る人によってはモアレや抽象画のように捉え、この素材の見え方、捉え方の解釈が拡がり変わるという点が「日本らしい素材」だと感じました。存在感がありながらも主張し過ぎず、商品と調和の取れた奥ゆかしさを感じる、日本らしい素材だと思います。今後日本を代表する素材になる可能性を秘めた素材だと思いました。

BAUMグローバルブランドユニット マネージャー桑原さん

NUNOUSは原料が捨てられてしまう布だったという驚き、アウトプットとして見たことの無い面白い積層材、製造に至るストーリー、全てに強く惹かれ、他には無い素材だと思いました。
美しい素材や、面白いテクスチャーの素材は世の中に沢山ありますが、何かを解決しながら同時にアウトプットを美しく表現できているのが、BAUMとしても親近感を感じた点です。
私たちが行っているサステナビリティな活動には、樹木の循環、成分のこだわり、木枠に端材を利用する、レフィルを積極採用するなど、お客様にお伝えしたいことが沢山あります。
それらをVMD(Visual merchandising)に落とし込む上で、何ら違和感なく、目指す方向やブランドの理念を共有できる、とてもコラボレーションしやすい素材がNUNOUSだと思っています。

 

BAUMグローバルブランドユニット 林さん

NUNOUSは通常廃棄される生地を美しくアップサイクルし生み出されていることで、一つひとつの表情が異なり、個性として輝いていることが魅力の一つと感じています。
あるお客様は「店頭のディスプレイがカッコイイ」と言ってお写真を投稿してくださり、BAUMが届けたいメッセージを受け取って頂けていることが分かり、ディスプレイに採用して良かったと感じました。

今後向かうべきSDGsやサステナブルの展望、力を入れていくお取組みについてはいかがですか?

「樹木との共生」をテーマに掲げるスキン&マインドブランドとして、成分、パッケージに欠かせない「樹木の類稀なる力」を受け取り続けられるよう、商品開発、店頭活動などでの取り組みを行っていくほか、多様な森の美しさや樹木の素晴らしさを伝える活動の一つとして、パッケージにも使用されているオーク(ナラ)を中心とした苗木の店頭での育苗、2021年から始まったBAUMオークの森への植樹を継続して行い、樹木資源を未来へとつなぐ活動を続けていきたいと考えています。

編集後記

今回ご出席頂いた3名のどなたにお話し伺っても、その言葉の端々から統一されたブランドのフィロソフィー(哲学・世界観)を窺い知ることができました。
「NUNOUS SUSTAINABILITY JOURNAL 第1回」で取材させて頂いた、資生堂㈱BAUMグローバルブランドマネージャーの西脇文美さんが、「フィロソフィーを血肉としてブランドに浸透させる」と力強くお話下さった記憶がありますが、今回の取材で、改めて支持される強いブランド像を認識させられました。それはブランドマネージャーが確固たる哲学や世界観をブランドに注ぎ、皆に目指す方向付けを行いながらも、ブランドに携わる1人ひとりがドライブ力となって、事業推進できているのだと感じ、大変感銘を受けました。もちろんグローバルで活躍する化粧品メーカーである従業員様の意識の高さはいうまでもなく、フィロソフィーを具現化する企画・構想力、推進力のレベルの高さだと感じました。
また、ご使用後の感想でお話下さった一級建築士でもある堀さんからは「平面なのに立体感を出せる稀有な素材」とお褒め頂きました。「建築や設計に携わる者は空間に奥行を感じられるよう常に意識しています」とのお言葉は、これからNUNOUSご使用をご検討頂ける方の大きなヒントになると思いました。NUNOUSを使い、より立体的なインテリアを作れそうとの言葉。ブランドの親和性が高く共通点も多いBAUM様と、再びコラボ実現できたらと素晴らしいと感じました。

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