NUNOUS SUSTAINABILITY JOURNAL

株式会社Knot様

本オウンドメディアでは、セイショク株式会社が開発した環境系新素材「NUNOUS®」をご採用頂いたクライアント企業様と開発のご担当者様それぞれに、現在取り組まれているSDGsやサステナブルな事例のご紹介や、その背景にある未来への想いをインタビュー・掲載させて頂き、現在NUNOUSの導入をご検討されている方々に向けて、持続可能なより良い社会にするための活動の参考にして頂けるよう発信して参ります。

今回の撮影に協力して下さったのは

Maker's Watch Knot 表参道ギャラリーショップ/プレミアムサロン
住所 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-21-7 エスパス表参道 1F
電話番号:03-6447-0670

今回お話を伺った方のご紹介

  • 株式会社Knot 代表取締役遠藤弘満さん

  • 製品開発グループ マネージャー/プロダクトデザイナー 松村昂紀さん

Knot様の企業概要

(遠藤さん)
Knotは2014年、吉祥寺の小さなマンションの一室で誕生しました。「カスタマイズウォッチ」のパイオニアであり、ものづくりで、人と人の思いを結ぶ会社です。
かつて、「時間を確認する」道具として、生活に欠かせないものであった腕時計は新しい生活様式の中で、その役割を終えようとしています。
そんな中、私たちKnotのギャラリーショップには世界中から、毎日多くのお客様がお見えになります。
それは、私たちが提供しているものは、単に時を計る“道具”ではないからです。

私たちのゴールは腕時計やベルトをつくる事ではありません。
単なる「製品」を送り出すのではなく、大切な人と過ごす思い出、職人たちがつないできた誇らしい日本の伝統技術、ものづくりの素晴らしさを、末永く将来につなげていくことが使命だと考えています。
もちろん、誰もが手に届く価格で。
Knotは、カスタマイズウォッチのリーディングカンパニーとして、自然環境も意識し、サスティナブルな取組にも注力し始めています。

現在のKnot様のSDGsやサステナブルなお取組みはいかがでしょうか?

(遠藤さん)
カジュアル時計はストラップの劣化や、破損した際、修理をしてまで使い続けられるのではなく、買い替え、すなわち古いものは捨てられるという消費文化に疑問を感じました。
Knotは創業時より、お客様自身でストラップを簡単に着脱ができ、さらにストラップを着替えることで時計を楽しみながら、長く大切にお使いいただけるライフスタイルを提案してきました。
そうした中で、SUSTINO® series(サスティノ シリーズ)(Sustainabilityとinnovation を掛け合わせた造語)を展開致しました。
時計の第1段が太陽光で充電するソーラームーブメントを使用したモデル「THIN SOLAR WATCH」。
電池交換が減るため、廃棄する電池の量を削減できます。
第2段はクォーツムーブメントを、自動巻き(機械式)ローターで充電する電池交換不要のハイブリッドムーブメントを搭載したモデル「AUTO CHARGE SPORT」を発売したばかりでお客様の反応に期待をしています。
そして、ストラップの第1段が「NUNOUSストラップ」です。

NUNOUSをなぜご採用頂けたのか?どこに魅力を感じられましたか?

(遠藤さん)
ブランドの定義は時代と共に変わるもので、いつの時代であってもメーカーにとって中心にあるテーマで、少し先の未来にブランドと認識される製品やサービスを提供する事を求められます。
10年後の世の中におけるブランドの定義は?と考えた時に、私はブランド=「企業活動」そのものになると考えています。
「何を誰から買うか」から「誰から何を買うか」へとプライオリティは変わり、まずは企業として評価していただく事。次に購入意欲を満たす魅力的な製品を提供できる事が重要となってくると考えます。
とりわけ、自然保護や環境問題への取り組みは、最重視される企業活動となっていると考えます。
しかしながら、SDGsに取り組むだけの、ただの優等生な製品では誰も魅力を感じていただけません。
環境や自然保護に配慮し、且つ優れたデザインやワクワクするようなストーリーが詰まった製品を提供する事が出来る企業が、ブランドとして評価されるようになると思います。

100年も前から、腕時計のベルトと言えば天然革が定番です。
中でも、エキゾチックレザーと呼ばれるクロコダイルやリザードのような人気の高級レザーは、自然保護の意識が高い、欧米では人気が落ちてきています。
我々は、天然革に変わる、これからの時代のベルト素材を開発する必要に迫られていました。
そんな中、出会ったのがNUNOUSです。
環境配慮から生まれたアップサイクル素材である事はもちろんですが、そのユニークな表情を拝見した時に、大いに可能性を感じました。

(松村さん)
なんといっても、その美しさです。腕時計はファッションアイテムです。
まず、キレイ、かわいいといった見た目から興味を持っていただき、「実はサステナブルな素材なのですよ」というふうに「エフォートレス」に貢献して頂けると考えています。
そして、NUNOUSの魅力を腕時計をハブにして、皆様に知って頂きたいと思いました。

素材の特徴を言いますと、腕時計のストラップは昔からレザーが多いです。
強度が重要なポイントではあるのですが、バックルという金具で調整する際に必要な小穴を開ける必要があり、穴を開けてもほつれず、ボロボロにならないからであるとも思っています。
NUNOUSは布でありながらも穴を開けてもほつれません。この点はNUNOUSの美しさをシンプルに伝えられる仕立てに繋がりました。

導入後のご感想は?

(遠藤さん)
NUNOUSとのコラボレートベルトの発売を機に、Knotでは環境配慮型の製品をサスティノコレクションと言う新しいカテゴリーが誕生しました。
従来まで、ほとんどの消費者は腕時計をデザイン、機能、性能と言ったものを重視して選択していましたが、そこに「地球に優しい製品」という新しい選択肢が生まれた事で、新しい顧客を獲得する事に成功しています。

また、Knotは80年ぶりに誕生した日本のベンチャー時計ブランドとして、常にお客様から求められるのは老舗メーカーさんでは開発する事の無いような「拘りや意外性」を求められています。
ここ数年老舗メーカーさんからは、素材に数%だけ果物の皮や野菜などを配合した革をビーガンレザーとして、販売していますが、結局見た目は革ですから、デザイン面での差別化は図れていません。
NUNOUSベルトはその独自のマーブル模様から、お客様の目に一瞬で「むむむ、これはまたユニークな製品をKnotは発売したな」と感じて頂け、お客様の評価は上々です。

(松村さん)
まずは「キレイ!」という反応を頂きます。
トーンオントーンの風合いがファッションに程よく馴染みますので、単色が多いレザー素材と差異があり非常に満足しております。
そして、お客様はそんな素材があるのだなと感心されています。製造方法がそのまま柄になって発現していますので、わかりやすく説明もしやすいです。

今後向かうべきSDGsやサステナブルの展望、力を入れていくお取組みについてはいかがですか?

(遠藤さん)
まず、企業として現在でも取扱説明書やカタログを電子化したり、ショッパーや過剰な梱包資材などを減らすペーパーレス化の取り組みに注力しています。
ブランドとしては、創業以来のミッションとして掲げる「ジャパンクオリティーで日本と世界を結ぶ」を加速させる、チャンスととらえています。
先にも話しましたが、アメリカ、ヨーロッパは腕時計の重要なマーケットです。
SDGsの考えや取り組みが、既に日本より何年も先を行く欧米マーケットにおいて、自然保護や環境に配慮した魅力的な製品を提供する事が、欧米マーケットの拡大には不可欠です。
日本の優れた素材で作られた魅力的な製品の開発に注力する事で、「ジャパンクオリティーで日本と世界を結ぶ」を実現していく事に注力していきます。

(松村さん)
エフォートレスなサステナブルに力を入れていきたいと思っています。
サステナブルだから着用していただくのも良いのですが、サステナブルでなくても着用したいと思って頂ける製品を開発したいと考えています。
そうした中でストラップの素材を探していますが、NUNOUSのようにサステナブルでありながらファッションアイテムとして使用したいと思う美しい素材になかなか出会えていませんので、今後も素材開発を進めて参りたいと思います。

〈編集後記〉

異素材との相性も良く、様々なプロダクトに応用できる可能性がある新素材NUNOUS。
サステナブル新素材NUNOUS®にとっては、初のプロダクトブランドとのコラボ企画。
第1弾は、カスタマイズウォッチでハイセンスな若者に人気のブランド「Knot」。
2020年から共同で製品開発ですが、きっかけは、セイショク㈱の本業でお世話になっている伊藤忠商事繊維カンパニー様から
「この新素材を素敵だと思って頂ける方を紹介するよ」と遠藤社長をご紹介されたのがきっかけ。
初めて吉祥寺でお会いし、ご紹介させて頂いた日には、恐らくNUNOUS®のファンになって頂きました(笑)

今回インタビューをさせて頂いたお2人にはNUNOUS®を製造しているセイショク㈱岡山工場(岡山市北区)にも足を運んで頂き、
実際に製造している現場もご覧頂きました。
お2人が目の当たりにされたのは、多くの原料となる布=作業服になれず、捨てられることをただ待つだけの規格外品。
それをご覧頂いた上で今まで世の中に無かった新素材をどのように広めて社会貢献していくべきか等、様々なアイデアをディスカッションさせて頂きました。
「日本にある本当に良いモノや技術を広めて行きたい」という遠藤社長や松村デザイナーの情熱だけでなく、
携わるスタッフの皆さまからもたくさんの方に伝えたいという情熱を感じました。
実際に試作段階でも試行錯誤しながらしっかり素材特性をご理解頂けたことで、
「このブランド様だったらNUNOUS®を安心して任せられそう!」と感じたことを覚えています。

お客様の期待を常に超えようと挑戦する姿勢。毎週品質会議を開いて対策するほど徹底したこだわり。
他のウォッチブランドにはないオリジナルの視点で数々のイノベーションを起こす。
ブランドの信条や想いをプロダクトに吹き込みながら、多くの支持者を獲得しているカスタマイズウォッチの先駆者。
NUNOUS®もKnot様の新たな「MUSUBUパートナー」としてきちんと責任を持ってお取り組みさせて頂きます。
これからもお客様の期待を超えられるようなプロダクト作りとコラボを進めて行きます。



最後に余談になりますが、実は、今回のコラボをヒントに、
弊社オリジナル製品の「NUNOUS®レザーシリーズ(名刺入れ、メガネケース、手帳型スマホケース」が誕生しました。
今回のウォッチストラップの事例で、厚みが0.6mm程度と比較的薄いNUNOUS SKINを、異素材である「レザーと組み合わせること」で
「強度担保し機能性を付与する」と同時に、「NUNOUSが本来持つ独特な素材の柔らかさや優しさも表現できること」を実感しました。
「異素材との組合せ」で機能性も備え、更にしなやかな特長も残したプロダクトとして成立することを、
Knot様から学ばせて頂きました。


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